2009 謹賀新年
あっという間に新年が来てしまいました。掃除もあまりできていませんが![]()
2008年は玉三郎さんの昆劇『牡丹亭』公演があり、日本での中国伝統劇受容の歴史の中で画期的な一年になりました。本ブログの訪問カウントも飛躍的に増加しました。改めて御礼申し上げます。
2009年も素敵な舞台に出会えますように、何よりも皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます![]()
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京都南座 顔見世 夜の部の感想
私にしては奮発して、3階2列目から見ました![]()
第一 『傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の場』
おとく 藤十郎 /浮世又平 翫 雀
狩野雅楽之助 扇 雀 /土佐修理之助 亀 鶴
将監北の方 吉 弥/ 土佐将監 竹三郎
『傾城反魂香』ってこの場面しか上演しないのでしょうか? 題名から想像するに、おそらく全体の話はもっと違う話だと思うのですが、一度通しで見てみたいものです。
よく考えてみると、舞台で見るのは初めてだと思います。たしか昨年の中国公演でも上演されたはずです。
これは近松門左衛門の作品だと思うのですが、しかし近松という人は人間ドラマを描くことにかけては本当にすごいと思いました。私がいうのもなんですが、改めて近松の脚本のすごさを再確認しました。
私が小学生の頃、土曜日の昼間、学校から帰ってきてお昼ご飯を食べると、いつも気がつけば藤山寛美さん主演の松竹新喜劇を見ていました。寛美さん演じる、ちょっとぬけた感じの丁稚さんが主人公のお芝居は、今現在考えると大変微妙な線をいったお芝居だと思います。障害を持つ人、特に発達障害を持つ人を舞台に描くということは、本当に難しいことだと思います。寛美さんも一時期そのことで悩まれたそうですが、実際に障害者の方から「続けてほしい」と励まされて、勇気を持ったというエピソードを新聞で読んだことがあります。
北京に留学していた時に、身体障害者が登場する舞台は、少し前まで中国では描けなかったという話を聞いたことがありました。それは中国では、理想とする社会には、障害を持つ人が存在してはいけないという観念から一種のタブーになっていたそうです。
しかしその当時、二十一世紀に入るか入らないかという時期になって、ようやく中国でもコンリー主演の「きれいなお母さん」(聴覚障害を持つ子供の母親の話)という映画が製作され話題になるなど、障害者とその家族をドラマ化することがタブーではなくなったことを示す象徴的な年でした。またそれとほぼ同時期に製作されたテレビドラマには、身体障害者ではなく、「少し考えが足りない人」(ドラマの表現)を脇役として描くドラマがありました。こうした描き方は現実社会には障害者も健常者と同じように生活しているのだというドラマ製作サイドの姿勢がうかがえました。ドラマでは彼らはたいがい少し考えが足りないがためになんでも警察にしゃべってしまって、事件解決の手がかりを与える役目を担っています。
藤十郎さんはこういう事情をご存じだったかは存じませんが、選んだ演目が非常に鋭いところを突いていると思いました。
前置きが長くなりましたが、又平という人物は吃音というだけではなく、「少し考えが足りない人」としても描かれていると思いました。だからなかなか師匠は彼を一人前として独り立ちさせることができなかったのでしょう。師匠が意地悪としているわけではないのだと思います。
弟弟子に抜かれた又平の無念、又平の一念が引き起こした神業、そしてその神業に天の意志を感じたのか、師匠は彼に名字を許し、喜びいさんで裃をつけて出発する又平と彼を見送るおとく。又平を支えるおとくとの夫婦愛がしみこむ珠玉の作品です。こういう又平とおとくのような人物を描いたところに、私は近松のすごさを感じました。
ただ現在の舞台を見る限りでは、ためすぎている印象を受けました。もっとあっさりできる部分はテンポアップした方が、ためる部分も引き立つというものです。
あと、上方の舞台なのに、セリフに関西色をあまり感じませんでした。文楽を見ているといつも「あぁ、大阪弁やなぁ」と思うのですが、そういう部分が藤十郎さんのセリフぐらいしか感じませんでした。とても寂しいことです。関西ゆかりの俳優さんを揃えておられるのに… おそらく東京での公演も考えて、関西色を薄めておられるのだと思いますが、関西で公演する時はおもいきり関西色を出してセリフを言ってほしいと思いました。
一部、何を言っているのかよくわからない部分がありました。聞き取れないのではなくて、本当に何のことを話しているのか、わからなかったのです。話の筋をよく知らないからだと思うのですが、字幕が欲しかった…
【余談】大向こうさんはまた亀鶴さんの屋号を「大和屋」と叫んでいました。
第ニ 『元禄忠臣蔵 大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)』
大石内蔵助 吉右衛門
おみの 芝 雀
磯貝十郎左衛門 錦之助
細川内記 種太郎
久永内記 桂 三
荒木十左衛門 歌 昇
堀内伝右衛門 歌 六
これは「セリフ劇」という感じでした。最初の部分は伴奏の音楽が全然入らなくて、「これのどこが歌舞伎なんだ? これを歌舞伎と認めるならスーパー歌舞伎の方がうんと歌舞伎らしいぞ」と思うほど、普通のお芝居、または時代劇っぽい舞台でした。後半からは少し伴奏音楽も入ったりして歌舞伎っぽくなりました。
この舞台は作品の内容がどうのこうの、というよりもずばり、吉右衛門さんを見る舞台ですね。関西では初めてお目にかかりました。もっと関西に来て下さい!
おみのの服装がいかにも女性が変装してますって袴で、一人浮いていました。普通の袴にできないもんなんでしょうか? 磯貝とおみのの場面はやっぱり時代劇っぽかったなぁ。
【余談】赤穂浪士は46人ですが、舞台上にはそんな大勢並べないので、内蔵助合わせて17人しかいませんでした(つっこみどころ…)
第三 信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)
鬼女 玉三郎
平維茂 海老蔵
鬼女 門之助
同 吉 弥
同 笑 也
同 笑三郎
同 春 猿
山神 仁左衛門
最初出てきた時は良かったのですが、鬼になってからがどうもまだ完成されていない感じがしました。普段鬼になってからの舞踊というは意識してみていなかったのですが、この舞台ではどうも鬼が可愛らしく見えて仕方がないのです。怖い顔をして頭を振ったりしているのだけど、どうも違和感を覚えました。後ろのおばさんは最初「きれいやなぁ、お人形さんみたい」を連発していましたが、鬼になったら「いやぁ、かわいそう」とくすくす笑い出していました。確かにそのおばさん以外にも会場内でくすくす笑い声が聞こえていました。変だよ、あそこ。どうして笑われるかというと、やっぱり演じている人達が鬼になりきれていないからだと思います。人を食べてやるぞという鬼の執念のようなものがあまり感じられないのです。全体的に見応えはありましたが、最後がちょっと期待はずれでした。
仁左衛門さんの山神は、もっと若い人がやるべき役ではないかと思いました。仁左衛門さんは海老蔵さんがされていた維茂をやった方が良かったです。やっぱりかっこいい仁左衛門さんが見たいじゃないですか? 海老蔵さんの扮装が「紅葉狩」と「源氏物語」でかぶってしまうので、見ている方としてはおもしろくなかったです。
第四 源氏物語千年記念
『源氏物語(げんじものがたり)
夕顔
五條 夕顔の屋敷 池のほとり』
光の君 海老蔵
夕顔 扇 雀
惟光 猿 弥
六條御息所 玉三郎
海老蔵さんの光の君は本当に光っていて(そう見えた)、どこから声を出しているのかわからないような優男らしい声で、さすがでした。扇雀さんも夕顔の雰囲気が良く出ていて、好演。猿弥さんも安心してみていられます。光の君と夕顔の絡みの部分はスーパー歌舞伎の絡みを思い起こさせました。セリフは少ないのですが、けっこうスーパー歌舞伎っぽい感じがしました。スーパー歌舞伎には歌舞伎にしてはストレートな恋愛シーンがありますからね…
玉三郎さんが六条御息所の生き霊となって、夕顔を殺す場面などはずいぶん昔、玉三郎さんの「葵上」という地唄舞を見る機会がありましたが、その踊りを踏襲しているような舞踊劇っぽい舞台でした。ただ、ずっと証明が暗くて、見えにくかった…。もう少し明るくしてほしい。3階からでは全然はっきり見えません…
最後は9時半で終わり。「あれ、もう終わり?」という感じでした。今後再演されて更に練り上げられることを期待したいです。
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観劇記ではありませんが…(南座顔見世の感想はそのうち書きます…)
誰かがアップしてくれていました。感謝感激雨あられ![]()
あまりの懐かしさに思わず記念撮影、ならぬ記念貼り付け
オープニング 細野晴臣「三国志メイン・テーマ」
エンディング 小池玉緒「三国志ラヴ・テーマ」
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18日、南座の顔見世に行ってきました。10時前に終わるかと思っていたら、終演は9時半でした。最後の『源氏物語』が「えっ、それで終わり?」というぐらい短かったのですが、きっと初日よりも短くしたのでしょうねぇ。家に早く帰宅できたのは次の日に仕事のある身としては、ありがたいのですが、でもちょっと損した感じもします…
ちょっとした情報を…
☆舞台写真入りの番付は21日から販売するそうです。18日ならもう舞台写真入りのが出ているだろうと思っていたのですが、甘かったです…
☆今月の舞台の舞台写真はもう発売されていました。「源氏物語」が暗い照明の場面が多く、個人的に見て、あまり良い写真がありませんでした。
舞台の感想は後日に…
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京劇「楊門女将~楊家の女将軍たち~女将集結編」
ハイビジョンステージ
[チャンネル] デジタル教育3
[ 放送日時 ] 2008年12月22日(月)午後8:00~午後9:44(104分)
京劇「楊門女将~楊家の女将軍たち~女将合戦編」
ハイビジョンステージ
[チャンネル] デジタル教育3
[ 放送日時 ] 2008年12月22日(月)午後9:44~午後11:28(104分)
[ 番組HP ] http://www.nhk.or.jp/bs/hvstage/
昨日の段階では番組HPに案内はありませんでした。
おそらく2006年の上海京劇院日本公演のAプロとBプロを一気に放送するのでしょう。
ハイビジョンは我が家では見れませんが……
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映画「歌舞伎役者十三代目片岡仁左衛門」~稀代の上方役者が遺したメッセージ~
2009年3月27日(金)・28日(土)・29日(日)
開場12:30 開演13:00 ※3日とも
京都芸術劇場 春秋座
http://www.k-pac.org/theatre/schedule/index.html
3月27日(金)
13:00~ 講演「羽田澄子氏 十三代目仁左衛門を語る」
13:45~ 「若鮎の巻」(102分)
15:45~ 「人と芸の巻(上)」(94分)
3月28日(土)
13:00~ 「人と芸の巻(中)」(101分)
15:00~ 「人と芸の巻(下)」(105分)
3月29日(日)
13:00~ 「孫右衛門の巻」(86分)
14:45~ 「登仙の巻」(158分)
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さっき「歌舞伎美人」を見たら、南座顔見世の夜の部の終了時間が「9:50」と書いてありました。って夜の10時じゃん! 顔見世は毎年、お尻や足が痛くなるほど長かったのを覚えていますが、夜10時に終わるってどうなっているんでしょう…
顔見世って長すぎるし、チケット高いし、もう少し改良できないんでしょうか…
どうせ、てんでバラバラの関連性のないお芝居を持ってくるんだから、朝昼晩の三部制にして、チケットも通常公演よりちょっと安いぐらいに設定すれば、観客としては疲れないし、チケットも買いやすくなるし、財布的にも楽だし、便利になると思うんだけどなぁ。
まえから思ってましたが、南座の顔見世って、京都の一般市民のことは全然考えてませんよねぇ… 勘弁して欲しい…
京都府政は随分前に革新府政が続いていたからか、大きな建築物を建てなかったり下水道を完備しなかったりしてたので、その結果、京都にはコンサートホールが少なく、大阪や兵庫とは比べものにならないほどお粗末なものでしたが、その後保守府政になってから、下水道を完備させたのはもちろん、駅前の京都劇場(今は劇団四季の劇場になっていて、集客力がある)やクラシック専門のコンサートホールができたけど、それまでは京都会館ぐらいしかなくて、本当にお粗末なものでした。京都会館も、もうそろそろ改修してもいいんじゃない?って感じですよねぇ。特に音響が…
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中国ではスタジオに有名人を招いて、トークショーのようなことをして、それをネットで放送するというイベントが随分前から、行われています。たぶん日本よりも多く行われていると思います。ネットを通じてファンとの交流も少しあります。
最近中国のヤフーが「戯曲之窓」という京劇専門コーナーを設けていて、そこで今は主に国家京劇院三団の俳優さんを中心に紹介したり、取材記事を載せたりしています。
http://liveinterview.cn.yahoo.com/xiqu/index.html
12月4日にそこで張建国さんのトークイベントが行われました。私はたまたま家にいて友達から知らされて、間に合ったという状態で、こちらで告知することはできませんでした。すみません。でも日本のファン代表として(勝手に代表してますが)、「また日本で公演して下さる日を待っています」というメッセージを書き込ました。放送でも読まれました。建国さんは「機会があれば是非行きたいです」とおっしゃってました。
私が知る限り、張建国さんのネットでのトークイベントはこれで3度目なのですが、ネット環境が良くなったからか、今回はとても順調に見れました。今後はこれまでもおっしゃっていましたが、諸葛亮の生涯を演じる計画を、これまでの伝統劇をまとめた形で、どんどん公演していく予定だとか。
以下の写真は下のサイトから持ってきました。最近眼鏡をかけておられます。以下のサイトでは、映像も少し見れます。
http://liveinterview.cn.yahoo.com/08-12-/838/2803o.html
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一昨日、映画『梅蘭芳』の予告Vを見たとき、レオンライ(黎明)がずっと梅蘭芳を演じているのかと思っていたのですが、どうやら少年時代の梅蘭芳と中年時代の梅蘭芳で配役が違い、レオンライが演じているのは中年時代の梅蘭芳で、きれいな舞台を見せている少年時代は余少群という、無名の漢劇(京劇とは違う中国の伝統劇の劇種)の俳優が演じているということがわかりました。なんだぁ…がっかり… 少年時代と中年時代が別人のようだと思っていたのですが、本当に別人だったとは……
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少し前にこのブログでも取り上げました映画「梅蘭芳」が当初の予定を大幅に遅れて、この12月にようやく中国で封切られることになり、今中国では監督陳凱歌やレオンライ(黎明)やチャンツィイー(章子怡)ら主演俳優達が映画の宣伝をしています。先日マスコミ向けの試写会が行われたようです。
中国のネットで予告編の映像が出ていましたので、貼り付けます。
中国のネットでは以前から情報が錯綜しておりますが、ネットの情報や予告編によると、この映画「梅蘭芳」の主な内容はどうやら以下の二つが柱のようです。まだ全編は公開されておりませんので、あくまで憶測ですが…
1,梅蘭芳と、当時活躍していた女老生(張建国さんの役柄「老生」は女性が演じることもできます)の名優孟小冬とが愛人関係になり、その二人と梅蘭芳の奥さんとの間の三角関係のごちゃごちゃ。
2,旧日本軍による梅蘭芳への舞台出演要請とそれを断る梅蘭芳
個人的な意見ですが、この二つは、かのレスリーチャン主演の香港映画「さらば我が愛-覇王別姫」に対抗して作られた柱のように思われます。「さらば我が愛-覇王別姫」では、梅蘭芳をモデルにした架空の人物程蝶衣(たしかこんな名前だったはず…)が相手役の男性を恋い慕い、その奥さんと軋轢を生むという同性愛が描かれてあります。また女形の役者を男色の対象としてしか見ない国民党の幹部と、芸術家として遇する旧日本軍将軍との対比が見事に描かれています。映画「梅蘭芳」では【実際の梅蘭芳は同性愛者じゃないよ】、そして【梅蘭芳は愛国者だった】というメッセージが込められているのではないかと思います。後者の筋は于魁智主演の新編京劇『梅蘭芳』に似たようなところがあるのではないかと思います。中国では旧日本軍を悪者にすればそれで万事めでたく収まるのでしょうね。
下世話な話では、随分前にレオンライとチャンツィツィーとのベッドシーンがあるというので話題になっていました。「チャンツィツィーのベッドシーンは肩しか出さな い」というので定評があるそうなのですが、それを超えているのか、中国人は注目しているようです。結局入れられたのか、カットされているのかはわかりませんが。
私は梅蘭芳と孟小冬が実際にそういう関係だったかどうかは知りませんが、日本でいうと、宝塚の男役と歌舞伎の女形との愛人関係を映画の主題におくようなもので、個人的にはどうかなぁと思います。
ただこれが京劇が中国国内だけでなく世界から注目をあびるきっかけになるでしょうし、そういう意味では喜ぶべきなのかもしれませんが。
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